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一軍手土産

手土産を渡すときの言葉|場面別の一言と、目上への言い換え

渡すときの定型 3 つ

手土産を渡すときの言葉は、「心ばかりですが」「ほんの気持ちです」「皆さまでどうぞ」のどれか一つで足ります。気の利いた挨拶を探すより、そのあとに扱い方を一言添えるほうが相手の役に立ちます。

  • 「心ばかりですが」

    目上の相手や取引先に。改まった場でも浮かない、いちばん無難な入り方です。

  • 「ほんの気持ちです」

    相手を選ばない標準形。訪問でも職場でも、これで角が立ちません。

  • 「皆さまでどうぞ」

    人数のいる相手に。分けて食べてもらう前提を、先に伝えられます。

添えるのは、品物の扱い方です。日持ちするのか、個包装なのか、冷蔵が要るのか。それが分かれば、相手は今日中に配るか冷蔵庫を空けるかを、その場で決められます。

渡す場面そのものは一瞬で終わるので、言葉が効くとすれば、相手が箱を持ったあとのほうです。

つまり、感想を求める一言(「おいしいので、ぜひ感想を」)より、 受け取ったあとの判断を助ける一言。このページでは、掲載商品それぞれに付けている 「渡すときの一言」を場面別にまとめました(一覧はこのページの後半にあります)。渡す所作そのものは手土産の渡し方にまとめています。

「つまらないものですが」は今も使うのか

誤りではありません。謙遜の定型として今も通じます。ただ私は使っていません。渡す側の謙遜は、受け取った相手の手元では何の情報にもならないからです。

同じ一拍を使うなら「心ばかりですが」で足ります。そのあとに「日持ちしますので、お好きなときにどうぞ」と続けたほうが、相手はしまう場所と食べる時期をその場で決められます。言い方を直すというより、一言の中身を謙遜から扱い方に入れ替える、という感覚に近いです。

決まり文句の言い換え早見表

左の言い方を、相手と伝え方ごとに置き換えた例です。「使わない」は、その場面では決まり文句を入れず、扱い方の一言(日持ちや個包装)だけで足りるという意味です。

元の言い方取引先・目上社内友人・親戚メール・手紙・送り状
つまらないものですが心ばかりですが、お納めください。ほんの気持ちです。皆さんでどうぞ。よかったら食べて。心ばかりの品をお送りいたしました。
粗品ですが心ばかりの品ですが、お納めください。使わない使わないささやかな品をお送りいたしました。
心ばかりですがそのままで。「心ばかりですが、お納めください。」ほんの気持ちです。皆さんでどうぞ。これ、よかったらどうぞ。心ばかりの品をお送りいたしました。
ささやかですがささやかな品ですが、お納めください。ささやかですが、皆さんでどうぞ。ちょっとしたものだけど、どうぞ。ささやかではございますが、お礼の品をお送りいたしました。
ほんの気持ちです心ばかりの品でございます。そのままで。「ほんの気持ちです。皆さんでどうぞ。」ほんの気持ちだけど、よかったら。ほんの気持ちばかりの品をお送りいたしました。

国語辞典(デジタル大辞泉)では、「心ばかり」は贈り物をするときなどに謙遜していう語、「粗品」は人に贈る品物や景品をへりくだっていう語とされ、「ささやか」にも「細やかな贈り物」の用例が載っています。ただ「粗品」は語釈に景品も含むので、手渡しの場では「心ばかりの品」に替えています。

メールや送り状でも、口頭と同じ高さの敬語にそろえます。文化庁の『敬語の指針』(新しいタブで開きます)も、メールで敬語を割愛しがちな傾向への注意に触れ、敬語は多く使うほど丁寧になるわけではないとしています。どの場面にどれを当てるかは、このサイトの判断です。

目上・ビジネス向けの言い換え

敬語の度合いは、語尾よりも動詞で変わります。「どうぞ」を「お納めください」「お召し上がりください」に替えるだけで、同じ文がひとつ改まります。「皆さんで」は「皆さまで」、「ほんの気持ちです」は「心ばかりの品でございます」。

取引先や役員の前では、私はここまでを使って、それ以上は足しません。恐縮を重ねた長い口上は、相手の返事のほうを長くさせてしまうからです。扱い方を伝える部分も「日持ちします」を「日持ちいたしますので」にすれば、全体の高さがそろいます。場の段取りごと知りたいときはビジネスの手土産マナー、会食の席は接待・会食のマナーに分けて書きました。

「手土産」「差し入れ」「お礼の品」を言い換えるなら

口に出すときは、品物を「手土産」「菓子折り」と呼ばずに、何のための品かで言うほうが自然です。メールでは「心ばかりの品」「ささやかな品」のように、ひとつ改まった名前にそろえます。口頭の例の一部は、掲載している品に付けた「渡すときの一言」から取っています。

言い換えたい語挨拶で言うときメールに書くとき
手土産「ご挨拶のしるしでございます。皆さまでお召し上がりください。」「心ばかりの品」と書く。例: 先日お持ちした心ばかりの品、お口に合えば幸いです。
お土産「京都の定番だそうです。軽いお菓子なのでお茶うけにどうぞ。」「(地名)の品」と書く。例: 出張先の品を少しばかりお送りしました。
差し入れ「ちょっとした差し入れです。休憩のときにでもどうぞ。」「ささやかな差し入れ」と書く。例: ささやかですが、差し入れをお届けしました。皆さまでどうぞ。
菓子折り「心ばかりの品でございます。どうぞお納めください。」「心ばかりのお菓子」と書く。例: 心ばかりのお菓子をお送りいたしました。
お礼の品「先日はありがとうございました。皆さんでどうぞ。」「お礼のしるし」と書く。例: 先日のお礼のしるしに、ささやかな品をお送りしました。

受け取ったときの一言(その場と後日)

受け取る側にも短い定型があると楽です。その場は「恐れ入ります、頂戴します」か「ありがとうございます、皆でいただきます」。ここで「そんな、お気遣いなく」と固辞しすぎると、持ってきた側は引っ込みがつかなくなります。

その場の返事はここまで。お礼を長く続けるより、後日もう一度触れるほうが残ります。次に顔を合わせたときに「先日のお菓子、おいしくいただきました」と一言返すだけで十分です。味でも、配りやすさでも、具体を一つ入れると社交辞令には聞こえません。お礼にお菓子を添えて返すときも同じで、「先日はありがとうございました。皆さんでどうぞ」の一言で足ります。

退職・異動で職場に配るときの一言

順番は上から、が無難です。直属の上司にだけ少し長めに、「これまでありがとうございました。皆さんでどうぞ」。そのあと席を回るときは、一人ずつの長い挨拶は省いてかまいません。相手の手を止めてしまうぶん、短く切り上げるほうがむしろ親切だと思っています。

席を外している人の分は、同じ島の人に「◯◯さんの分もお願いできますか」と託しておくと確実です。戻ったタイミングで会えたなら、そのときに「お世話になりました。ひとつどうぞ」と声をかければ十分。配る順番そのものより、この一言があったかどうかのほうが、あとに残ります。人数の読み方は大人数の職場、分けやすさで選ぶなら個包装の手土産にまとめています。

配る日やのしの要否、会えない人の分の置き方は退職のときに職場へ配るお菓子のマナーにまとめています。

お詫びで渡すときの一言

言葉が先、品物はあとです。「このたびは申し訳ありませんでした」と口頭で謝り、経緯とこれからの対応を伝えます。相手が受け止めてくれたと感じられたところで、はじめて「お詫びのしるしです」と差し出します。この順番だけは崩しません。先に箱を出すと、話を聞いてもらう前に物で片づけようとしているように見えます。

添える言葉も短くします。おいしさや話題性の説明はこの場では余計で、伝えるとしても「日持ちいたしますので」までです。品選びと掛け紙は謝罪の菓子折り、条件で絞った品はお詫びのシーンにあります。

場面と敬語度で選ぶ

改まった順に並べています。右端は、そのあとに添える扱い方の一言です。

一言場面敬語度添える扱い方の一言
心ばかりですが、お納めください。取引先への訪問・初対面改まった日持ちいたしますので、お手すきのときにどうぞ。
ご挨拶のしるしでございます。役員・目上の方への挨拶改まった個包装ですので、皆さまでお分けください。
ほんの気持ちです。どうぞお納めください。取引先へのお礼・定例訪問改まった常温ですので、冷蔵庫に入れずに置いていただけます。
皆さまでお召し上がりください。相手の部署に人数がいるとき改まった個包装ですので、後ほどお配りいただければ。
恐れ入ります、頂戴いたします。自分が受け取る側になったとき改まった冷蔵のものでしょうか。すぐにお預かりします。
お詫びのしるしです。謝罪が受け入れられ、辞去する間際に改まった日持ちいたしますので、お手すきのときに。
ほんの気持ちですが、どうぞ。上司や先輩の自宅を訪ねるとき標準冷蔵品ですので、お早めに召し上がってください。
皆さんでどうぞ。職場へ差し入れするとき標準日持ちしますので、急がずどうぞ。
お世話になりました。皆さんでどうぞ。退職・異動の挨拶回り標準個包装なので、休憩のときにでも。
休憩のときにでもどうぞ。打ち合わせ・作業中の差し入れ標準当日中に食べるものなので、早めに開けてください。
少しですが、皆さんで分けてください。部活やチームへの差し入れ標準個包装なので、人数が増えても分けやすいです。
これ、よかったら食べて。友人の家に招かれたときくだけた冷蔵庫に入れてね。冷やして食べるものだから。
今日みんなで切って食べようと思って。ホームパーティー・持ち寄りくだけた切り分けが要るから、包丁とお皿だけ借りてもいい?
好きだって言ってたから買ってきたよ。実家や親戚の家へくだけた日持ちしないから、今日明日で食べてね。

現在46件の一言を掲載しています。

役員訪問・重要な挨拶

  • 「軽いものですが、お茶の際にお召し上がりください。」

    リーフパイ 8枚入日持ち35日・個包装あり

  • 「甘くないものをと思い、あられにいたしました。皆さまでどうぞ。」

    柿山セレクト 34枚入日持ち45日・個包装あり

  • 「心ばかりの品ですが、皆さまで召し上がっていただければ幸いです。」

    小形羊羹 10本入日持ち365日・個包装あり

  • 「日持ちいたしますので、お茶の時間にでも切り分けてお召し上がりください。」

    あも日持ち26日・個包装なし

  • 「ご挨拶のしるしでございます。皆さまでお召し上がりください。」

    クッキー詰合せ C-30日持ち31日・個包装あり

  • 「日本橋の千疋屋の焼菓子です。ほんの気持ちですが、どうぞ。」

    フルーツフィナンシェ 5個入日持ち75日・個包装あり

  • 「甘くないものが良いかと思いまして。えびせんべいの定番です。」

    ゆかり 33枚入日持ち60日・個包装あり

  • 「下関の阿わ雪です。日持ちが短いので、お早めにどうぞ。」

    阿わ雪 ゆき花と彩の詰め合わせ日持ち7日・個包装あり

  • 「銀座の定番を選びました。缶もお楽しみいただければ。」

    花椿ビスケット 24枚入日持ち90日・個包装なし

  • 「甘いものを控えていらっしゃると伺ったので、えびせんべいにしました。」

    海老づくし日持ち165日・個包装あり

  • 「山口の外郎です。日持ちが1週間ほどなので、お早めにどうぞ。」

    御堀堂の外郎 10本入日持ち7日・個包装あり

  • 「名古屋の定番と伺って選びました。お口に合えばうれしいです。」

    千なり 10入日持ち14日・個包装あり

大人数の職場への差し入れ

帰省・実家・親戚

  • 「みんなで切り分けて食べてね。お茶と一緒にどうぞ。」

    カステラ 1A号日持ち20日・個包装なし

  • 「京都の定番だそうです。軽いお菓子なのでお茶うけにどうぞ。」

    プレミアム千寿せんべい 8枚入日持ち17日・個包装あり

  • 「福島のままどおるです。皆さんでどうぞ。」

    ままどおる 10個入日持ち8日・個包装あり

  • 「北海道のマルセイバターサンドです。皆さんでどうぞ。」

    マルセイバターサンド 10個入日持ち9日・個包装あり

  • 「下関の定番、巌流焼です。皆さんでどうぞ。」

    巌流焼 8個入日持ち20日・個包装なし

  • 「山梨の桔梗信玄餅です。皆さんでどうぞ。」

    桔梗信玄餅 10個箱入日持ち12日・個包装あり

  • 「鹿児島のかるかんです。日持ちが短いので早めに切り分けてどうぞ。」

    軽羹 8号日持ち8日・個包装なし

  • 「名古屋のういろう、ひとくちサイズだから配りやすいよ。」

    青柳ういろう ひとくち日持ち20日・個包装あり

  • 「日持ちしないから、今日明日で食べてね。伊勢の赤福です。」

    赤福餅 8個入日持ち2日・個包装なし

  • 「東京土産の定番ですが、日持ちが短いので早めにどうぞ。」

    東京ばな奈「見ぃつけたっ」8個入日持ち7日・個包装あり

  • 「仙台の萩の月です。皆さんでどうぞ。」

    萩の月 8個入日持ち14日・個包装あり

  • 「福岡の博多通りもんです。皆さんでどうぞ。」

    博多通りもん 12個入日持ち21日・個包装あり

  • 「山口の昔からの銘菓です。日持ちが短いのでお早めにどうぞ。」

    名菓舌鼓 10個入日持ち7日・個包装あり

友達の家・ホームパーティー

この一言をそのまま使う必要はありません。敬語の度合いも語尾も、 相手との距離感に合わせて崩してください。残したいのは言い回しではなく、 「扱い方の情報を渡す」という中身のほうです。

よくある質問

手土産を渡すとき、何と言えばいいか分かりません

気の利いた言葉は要らない、というのが私の答えです。「心ばかりですが」のような短い定番で入り、そのあとに日持ち・個包装・要冷蔵といった扱い方をひとこと添えれば十分です。相手が受け取ったあとに「今日中に配るべきか」「冷蔵庫に入れるべきか」を判断できる一言が、いちばん親切だと考えています。

無言で渡すのは失礼ですか?

一般的な作法としては、ひとこと添えて渡すのが丁寧とされています。ただし長い口上は要りません。「皆さんでどうぞ」だけでも、無言で差し出すより印象はずっと柔らかくなります。渡す場面では相手も次の話に移りたいものなので、短いほうがむしろ喜ばれると感じています。

「つまらないものですが」と言うのは良くないのでしょうか?

失礼にあたる言い方ではありません。目上の方がこの言葉で差し出す場面にも出会います。私が使わないのは、一言しか添えられない場面で、謙遜より「日持ちします」のほうを選びたいからです。相手が気にする様子でなければ、そのまま使って差し支えないと考えています。

実際に渡した記録

実際に渡した場面だけを書いた記録です。条件で選んだ品の紹介とは分けています。