手土産の渡し方|どの向きで差し出し、誰が渡すか
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袋から品物を出し、表書きが相手から読める向きに回して、両手で差し出す。添える一言は、感想より扱い方を一つ。二人以上で訪ねるときだけは、差し出す前に渡す人を一人に決めておきます。
出張や取引先まわりで手土産を持っていく機会が多く、品物を選び終えたあとに毎回少し迷ったのが渡し方でした。袋から出すのか、どの向きで差し出すのか、そもそも誰が渡すのか。旅行のお土産を職場で手渡すときも、所作そのものは変わりません。広く知られている作法と、私が実際にやっていることを分けて書いておきます。
基本の流れ
渡す動作そのものは短いので、順番だけ頭に入れておけば足ります。
- 挨拶と名刺交換が一段落するのを待つ
- 紙袋から品物を取り出す
- 表書きや正面が相手に向くように回す
- 両手で差し出しながら一言添える
- たたんだ紙袋は自分で持ち帰る
慌ただしい場面では 2 と 3 が飛びがちですが、ここが一番見られている部分だと感じています。
向きは相手から見て正面に
箱には正面があります。ロゴや掛け紙の表書きが相手から読める向きになるよう、自分の手元で半回転させてから差し出します。テーブル越しに渡すときも、自分側から見て逆さまになっているのが正しい状態です。掛け紙を付けるかどうかで迷う場合は、のしのマナーに表書きの種類を書いています。
両手で差し出す
片手で渡す場面はまずありません。箱の底に片手を添え、もう一方の手を横に添える形にすると、大きさが変わっても持ち方が崩れません。テーブル越しで距離があるときは、いったん自分の側に置いてから相手の前へ滑らせるように動かします。無理に腕を伸ばして渡そうとすると、こちらの姿勢のほうが不自然になります。
紙袋の扱いは別ページにまとめました
紙袋は持ち運ぶあいだの埃よけと雨よけなので、室内では中身を出して品物そのものを手渡す形が丁寧とされています。出すタイミングと、相手がそのまま持ち帰る場面で袋ごと渡してよいかは紙袋のまま渡してよいかに分けました。紙袋のマナーのほうには、雨の日の運び方や、出した袋を自分で持ち帰る理由、複数個あるときの扱いを書いています。
添える一言は感想より扱い方
「お口に合うとよいのですが」は定番ですが、それだけだと相手は反応に困ることがあります。私は日持ち・個包装・要冷蔵のうち、その品に当てはまるものを一つ足すようにしています。受け取った側がその場で置き場所を決められるからです。定型の言い回しと場面別の例文は渡すときの一言に並べてあります。
誰が誰に渡すか(複数人で訪問したとき・上司同行のとき)
渡すのは役職が上の人が一般的です。こちらが二人以上で行くなら、玄関をくぐる前に渡す人を決めておきます。決めていないと、鞄に手を伸ばす人が二人になるか、逆に互いに譲り合って妙な間ができます。
ただ、手配したのが下の立場の人でも差し支えはなく、私は「持つ人」と「渡す人」を分けることのほうが多いです。移動のあいだは下の立場の人が提げ、部屋に入って着席したら、渡す人の手元に袋ごと置く。取り出すところから渡すところまで一人の手で続くので、受け渡しの途中でもたつきません。
相手側が複数いるときは、その場で一番上の方に差し出します。名指しの品でなければ「皆さまで」と添えれば、あとは相手側で回ります。役員や重要な挨拶で持っていく品の選び方は役員訪問の手土産に、取引先で誰が誰に渡すかの考え方はビジネスの手土産マナーに書きました。
家族と一緒に訪ねるときも同じで、順番の作法より、渡す人が一人に決まっていることのほうが効きます。
手土産が2つあるとき
二つあるときは一つずつ、目上の相手から先に渡します。宛先が分かれる二つを一度に持っていく場面は案外あります。部署あてと個人あてに分けたとき、二軒続けて回るとき、相手の家族にも別に用意したとき。
両手に一つずつ持って同時に出すと、どちらが誰あてか分からなくなります。私は二つの袋を分けたまま、一つ目を渡して受け取ってもらってから、二つ目を取り出します。ただし要冷蔵や日持ちの短いものが混じっていれば、目上かどうかより、そちらを先にします。冷蔵庫に入れてもらう手間を早めに伝えられるからです。
二軒回る日は、袋の持ち手に付いた店名が目印になるので取り違えはあまり起きません。同じ店で二つ買ったときだけ、渡す直前に中身を確かめています。人数の多い職場へまとめて持っていくときの個数の考え方は大人数の職場、日持ちで選び分けるなら日持ち一覧が使えます。
訪問と会食では出す場面が違う
相手の会社や自宅を訪ねるとき
席をすすめられ、挨拶が済んだところで切り出します。座る前に渡そうとすると相手が置き場所に困るので、私は着席して一呼吸おいてからにしています。受付や取次の方に預けるのは、本人に会えないときの最終手段と考えています。
玄関先や立ったまま渡すとき
上がらずに失礼する場面では、立ったままで差し支えありません。ただ、袋を提げた手のまま話し込むと渡しそびれるので、用件を切り出す前に済ませてしまいます。会議室で立ったまま挨拶する場合も同じで、鞄を持つ手と差し出す手を先に分けておくと、袋から出すところで慌てずに済みます。
店で会食するとき
会食は荷物の置き場が限られるうえ、料理が来ると机の上が埋まります。冒頭に渡すと相手は食事のあいだずっと箱を抱えることになるので、私は会計が済んで店を出る直前に渡しています。相手が車で来ているか、このあと別の予定があるかによっても選び方が変わるので、渡す前に把握しておくと楽です。
タイミングだけをもう少し詳しく知りたい場合は、渡すタイミングに場面別で書いています。
受け取る側の所作(紙袋ごと受け取ってよいか・その場で開けるか)
差し出されたものは両手で受けます。紙袋ごと差し出されたら、そのまま受け取ってかまいません。「袋のままで失礼します」と言われて袋だけ返そうとすると、相手は余分な袋を抱えて帰ることになります。受け取った品は自分の脇に置き、机の上に載せたままにしないほうが、そのあとの話がしやすいです。
その場で開けるかどうかは、すすめられたかどうかで決めています。私は遠慮しすぎずに開けるほうです。持ってきた側からすると、反応が見られるほうが嬉しいからです。すすめられていないのに自分から開けることはしません。要冷蔵と聞いた品だけは、話を止めてでも先に下げてもらう段取りにします。
渡す側に戻ると、「開けてよいですか」と聞かれることがあります。その場で開けてもらってかまわない品なら、そう伝えれば場が和みます。あとで分けてもらう前提のものなら、皆さんでどうぞと添えておけば、相手はしまう判断ができます。
品物のほうがまだ決まっていないなら
渡し方が整っていても、中身が相手に合っていなければ意味がありません。選ぶときの条件は一軍の考え方に、私が繰り返し渡しているものは一軍の品にまとめています。場面から探すなら帰省や友人の家、品名から見るなら商品一覧が早いです。