手土産にのしは必要か|つける場面・種類・表書きの判断基準
店で「のしはお付けしますか」と聞かれて迷った経験から、要否の線引きを整理しました。つける場面とつけない場面、水引の種類、表書きの例、お詫びでは無地の掛け紙という慣例まで書いています。
手土産を買うとき、店で「のしはお付けしますか」と聞かれて返事に詰まったことがあります。必要な場面とそうでない場面の線引きを自分の中に持っておくと、この質問に迷わなくなります。広く知られている使い分けと、私が実際にやっていることを書いておきます。
判断の軸は「場面が改まっているかどうか」
一般的に、通常のビジネス訪問や、ちょっとした挨拶代わりのカジュアルな手土産には、のしをつけない人が多数派です。店の包装だけで十分とされていますし、私も日常の訪問ではつけていません。
一方で、着任や退任の挨拶、お世話になった方への改まったお礼、お詫び、目上の方への正式な訪問といった、目的のはっきりした場面では掛け紙をかけるほうが丁寧とされています。品物が同じでも、掛け紙が一枚あるだけで、この日のために用意したことが伝わるためです。
私は「この訪問には言葉にできる名目があるか」で考えています。御挨拶なり御礼なり、名目が一語で言えるなら掛け紙をかける。単なる顔つなぎや出張土産ならつけない。この基準にしてから迷わなくなりました。
「のし」と「掛け紙」は別のもの
言葉を整理しておくと、のし(熨斗)とは紙の右上についている小さな飾りのことで、紙全体の名前ではありません。飾りのついた紙が「のし紙」、飾りのない紙が「掛け紙」です。ふだんの会話ではまとめて「のし」と呼ばれがちですが、この区別を知っておくと、あとで書くお詫びの場面で迷わずに済みます。
水引は蝶結びか結び切りか
のし紙の中央にある飾り紐が水引です。手土産で使うのはほとんどが紅白の蝶結びで、何度あってもよいお付き合い、つまり挨拶やお礼に使われます。結び切りは一度きりであってほしい出来事のためのもので、快気祝いや婚礼などが中心です。取引先への挨拶やお礼で結び切りを選ぶことはまずありません。
表書きの例
上段に書く名目は、次のあたりを知っておけばだいたい足ります。
- 御挨拶: 着任や初訪問など、挨拶そのものが目的のとき
- 御礼: お世話になったことへのお礼
- 粗菓: 菓子折りをへりくだって渡すときの表現
下段には自分の名前や社名を入れますが、書き方の細部は、あとで書くとおり店に任せるのが確実です。
内のしと外のし
包装紙の内側に紙をかけるのが内のし、包装紙の外側にかけるのが外のしです。手渡しする手土産では、名目が相手からすぐ見える外のしが基本とされています。内のしは控えめに贈りたいときや、配送で表面が傷むのを避けたいときに使われる形です。訪問して手渡すなら外のし、と覚えておけばまず困りません。
お詫びの品には「のし」をつけない
気をつけたいのがここです。右上の熨斗飾りはもともと祝い事の印とされているため、お詫びの品には熨斗のない無地の掛け紙をかけるのが慣例です。紅白の水引も同じ理由で避けます。店で「お詫びの品です」と伝えれば無地の掛け紙に整えてくれます。謝罪の品の選び方や渡す順番の全体は謝罪の菓子折りの選び方にまとめました。
迷ったら店で用途を伝える
ここまで書いてきましたが、実際に私が一番使っている方法は「店で用途を言う」です。百貨店や専門店の売り場では、取引先への挨拶なのか、お礼なのか、お詫びなのかを伝えれば、水引の種類から表書きまで整えてくれます。あやふやな知識で自己判断するより確実ですし、間違った表書きをつけるくらいなら、無地の掛け紙にとどめるか何もつけないほうが無難だと考えています。
ビジネスの手土産の考え方全体はビジネスの手土産マナーに、品物から決めたい場合は一軍と商品一覧にまとめています。