手土産を渡すタイミング|訪問直後か、帰り際か
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訪問なら挨拶が済んだ着席直後、外食なら会計が済んだ帰り際、改まった会食なら席に着く前に店へ預けます。名刺交換があるときは、交換を終えて席をすすめられてから。謝罪だけは逆で、話を聞いてもらったあと辞去する間際に出します。
手土産で一番迷うのは品物選びだと思っていたのですが、実際に持っていくと「いつ出すか」で手が止まることのほうが多いと気づきました。訪問と外食で答えが逆になるうえ、名刺交換や上司の同席が絡むと順番が一段ややこしくなります。私が使い分けている基準を、場面ごとに書いておきます。
先に、場面別の早見表
| 場面 | 渡すタイミング |
|---|---|
| 応接室・会議室 | 挨拶が済んで着席した直後、本題に入る前 |
| 玄関先で失礼する訪問 | 挨拶のあとすぐ。紙袋のままでよい |
| 相手の自宅 | 部屋に通され、席をすすめられてから |
| 外食・会食(予約した店) | 会計が済んだ帰り際。改まった会食なら到着時に店へ預ける |
| 立食・パーティー形式 | 受付で預けるか、始まる前に主催者へ |
| 上司や先輩が同席する食事 | 帰り際。自分が先に出さない |
| 休み明けの職場 | 始業前か、昼の休憩に入る直前 |
| 謝罪 | 謝罪が受け入れられたあと、辞去する間際 |
この表の理由と例外を、場面ごとに書いていきます。急いでいる方は、自分の場面のところだけ読んでもらえれば足ります。
基本は「挨拶が済んで、席についてから」
一般的には、用件の話に入る前、挨拶が一段落したところで渡すとされています。話し終えたあとだと相手はお礼を言うタイミングを逃しますし、こちらも切り出しづらくなります。
玄関やドアの前で渡そうとすると、相手は品物を持ったまま案内することになります。その一手間を増やさないという意味でも、席についてからのほうが楽です。
品物は紙袋に入れたまま持ち込み、渡す段になって初めて取り出します。袋から出す手順や置き場所は紙袋のまま渡していいかに、差し出す向きや添える一言は手土産の渡し方に分けて書きました。玄関に着くまでの段取りは訪問当日の流れにあります。
訪問のとき
訪問は、通された場所と名刺交換の有無で少しずつずれます。
名刺交換との前後関係
初対面の訪問では、名刺交換が先です。手土産を先に出すと、相手は品物を受け取った手で名刺を出すことになりますし、こちらも鞄と名刺入れを同時に扱うことになります。
私は、名刺交換を終えて席をすすめられ、腰を落ち着けたところで出しています。名刺交換、着席、挨拶と前置き、手土産、本題。この順で動けば、鞄に手を伸ばす場所が一か所に決まるので迷いません。名刺交換が立ったまま行われたときも、その場で続けずに座ってからにしています。
同行者がいて交換に時間がかかるときは、全員が終わるまで待ちます。途中で差し込むと、まだ名刺を出していない人が手持ち無沙汰になります。
応接室や会議室に通されたとき
もっとも標準的な形です。着席して挨拶が済み、本題に入る直前に差し出します。テーブルが広い場合は手渡し、狭い場合は相手の正面に置く形になりますが、置くときも品物の正面を相手に向けます。
雑談が長引きそうなときは、間を待たずに早めに出したほうがよいと感じています。渡すきっかけを探しているあいだ、こちらの意識が手元の紙袋に向いてしまうためです。
玄関先で渡すとき
上がらずに帰る前提の訪問では、挨拶をしてすぐに渡します。ここでは紙袋から出さず、袋ごと渡してかまいません。相手はそのまま室内へ運ぶことになるからです。
立ったままの受け渡しになるので、扉が開いてから鞄の中の品物を取り出すようにしています。先に手に持って待っていると、挨拶をする前に品物が目に入ってしまい、用件より先に「お気遣いなく」が来ます。
渡したあとで「お上がりください」と言われることもありますが、渡し直しはしません。袋のまま受け取ってもらい、そのまま室内へ通してもらいます。
相手の自宅を訪ねるとき
部屋に通されて、席をすすめられたところで渡します。冷蔵や冷凍が必要なものを持っていく場合だけは例外で、玄関の時点で「冷蔵のものが入っています」と伝えてしまいます。しまう場所の判断は早いほうが相手にとって助かります。
外食・会食ではいつ渡す?
店で会う場合は、訪問と答えが逆になります。
予約した店やカフェで会うとき
外食や会食では、手土産は会計が済んで店を出るタイミングで渡すのが基本とされています。最初に渡すと、相手は食事のあいだずっと荷物を抱えることになりますし、席によっては置き場所もありません。私は店を出て、見送りの挨拶をする直前に渡しています。お開きの空気の中で渡すと、お礼の言葉がそのまま別れの挨拶につながるので、流れとして自然です。
改まった会食なら、到着時に店へ預けておき、帰り際に出してもらうやり方が使えます。自分の鞄から出さずに済むぶん、席を立つ流れが乱れません。預け方の頼み方や、相手の帰り道から品物を逆算する考え方は接待・会食の手土産マナーにまとめました。金額やのしまで含めた仕事の手土産全般はビジネスの手土産マナーにあります。
両親や義理の両親、親しい友人との食事なら、席について挨拶を済ませ、一息ついたところで渡す形もよく使われます。個室や座敷のように荷物の置き場がある店なら、最初に渡したほうが食事中の話題にもなります。店の外の待ち合わせで渡してしまう手もありますが、相手はそれを持ったまま食事をすることになるので、私は席に着いてからにしています。線引きは間柄よりも、置き場所があるかどうかです。テーブル席で相手の足元に置かせることになるなら、親しい相手でも帰り際に回します。
予約を取らないカフェで会うときも、考え方は変わりません。荷物を置けるのが椅子の背か足元しかないので、私は会計を済ませて席を立つ間際に渡しています。ただカフェは解散が急に決まるので、相手が伝票に手を伸ばしたら出す、くらいの構えでいます。
このあと店を移ることが分かっているなら、渡すのは最後の店のお開きです。途中で渡すと、相手は残りの店をずっと荷物と一緒に回ることになります。こちらで持って移動し、別れる直前に渡します。
立食・パーティー形式のとき
席が決まっていないので、渡してしまうと相手は片手がふさがったまま会場を歩くことになります。受付があるなら、そこで名前を伝えて預かってもらうのが無難だと考えています。受付がなければ、始まる前に主催者を捕まえて渡し、荷物置き場を教えてもらいます。
始まってから渡すのは避けています。相手が挨拶回りの途中だと、こちらの品物が次の人との会話に割り込む形になります。終わり際も、主催者は見送りと片づけで手がふさがっていることが多い。渡すなら開始前、と決めておくほうが安全です。
持ち込む段階で常温のものを選んでおくと、預ける先に冷蔵庫があるかどうかを気にせずに済みます。
上司や先輩が同席するとき
仕事の食事に上司と一緒に出る場面では、自分の判断より上司の動きが先に来ます。上司が別に用意している可能性があるので、店に入る前に「お渡しするもの、こちらで持っています」と確認しておきます。二つ出てくると、相手は受け取るときに困ります。
渡すのはやはり帰り際で、上司の締めの挨拶に続ける形にします。自分が先に出すと、挨拶が終わる前に場がお開きの空気になってしまう。誰の手から渡すかは、このあとでまとめて書きます。
複数人で行くとき、渡す役をどう決めるか
こちらが複数人で行く場合は、誰が渡すかを事前に決めておきます。同行者が持っていることを知らずに二人が同時に鞄へ手を伸ばすと、その時点で場が止まります。決まっていること自体のほうが大事です。
上司が同席するときの受け渡し役
こちら側でいちばん役職が上の人が、相手側でいちばん役職が上の方に渡すのが自然とされています。品物を手配して持ってきたのが自分であっても、差し出す役は上司に譲るほうが収まりますが、手配した本人が渡してもかまいません。
鞄から出す役と差し出す役が分かれると動きが増えるので、私は部屋や店に入る前に上司へ預けてしまいます。テーブルの下で受け渡しをするほうが、よほど目につきます。上司から「君が渡して」と言われることもあるので、そこは行く前のやり取りで決めておきます。
相手側でいちばん上の方が席を外している場合は、戻るのを待たずに、その場にいる最上位の方へ渡します。不在の方への挨拶は言葉で添えれば足ります。
休み明け、職場ではいつ渡す?
旅行や帰省のお土産を職場に持っていくときは、始業前か、昼の休憩に入る直前が配りやすいと感じています。業務が動き出してからだと席を外している人が増えて、配りきるまでに何往復もすることになります。
順番は上司から先に。全員に配るつもりでも、最初の一人が上司だと、あとは目についた席から回っても角が立ちません。席にいない人の分は机に置かず、一度自分の手元に置いておき、席に戻られたときに渡しています。人数と個数の決め方は大きな職場へ持っていくときに書きました。
謝罪のときだけは、順番が逆になる
お詫びの品は、挨拶のあとには出しません。口頭で謝罪し、相手が受け入れてくれたあと、辞去する間際に差し出すのが筋とされています。冒頭に出すと、話を聞いてもらう前に物で解決を図っている印象になってしまうためです。相場や掛け紙まで含めて謝罪の菓子折りに書きました。
相手が不在だったとき
約束していた相手に会えないこともあります。この場合は取次の方に、誰から誰宛てかを伝えて預けます。名刺を添えておくと、あとから確認できる形になります。持ち帰って次回に回す選択もありますが、日持ちの短いものだとその判断ができません。私が訪問用に日持ちのするものを選びがちなのは、この場面を何度か経験したからです。
渡しそびれたとき
タイミングを見計らっているうちに本題が始まって、鞄に入れたまま帰り際になってしまった。よくあることです。この場合は、見送りの場面で「渡しそびれてしまいまして」と一言添えて渡せば、そのまま成立します。黙って出すより、一言あるほうが自然に収まります。
そのまま持ち帰ってしまった場合は、無理に届け直さなくてかまいません。次に会う予定が近いならそのときに。間が空くなら、その品は手元で消費して、次の機会に改めて用意するほうが日持ちの面でも安全です。
迷ったときの決め方
私は次の順で考えています。
- 相手がその場で置き場所に困らないか
- 冷蔵・冷凍など、早く伝えるべき情報があるか
- 帰るときに相手の荷物にならないか
この三つのどれかに引っかかるなら、渡すタイミングをずらします。逆に言えば、どれにも当たらない品物であれば、細かいことを気にしなくてよいとも考えています。日持ちがして、常温で置けて、片手で持てるものを選んでおくと、タイミングの自由度がそのまま上がります。
渡す動作そのものの流れは手土産の渡し方に、渡すときに添える一言は手土産を渡すときの言葉にまとめました。品物の候補から決めたい場合は商品一覧を見てみてください。